どこかの図書館

主に本と音楽の紹介しています。

2020-02-23から1日間の記事一覧

村田沙耶香『コンビニ人間』を読んで

クレイジー沙耶香たる所以を垣間見た。この作品の1番の感想はそれでした。全く人の心が読めない主人公に読者を惹き付け、魅力すら感じさせてしまう手腕。実は作者自身がこの主人公なのではないかと思わせる、そんな作品でした。 現に、村田さんのインタビュ…

辻村深月『冷たい校舎の時は止まる』を読んで

薄曇りの青春群像劇を描かせたら辻村深月さんの右に出る作家は居ないんではなかろうか。そう思わせるほどの出来でした。高校生たちの関係性を多面的にかつ内省的に見事に書ききった作品だと思います。 しかも、これが第1作というのだから驚きです。 2018年に…