体験しえない感情への郷愁 Arcade Fire『The Suberbs』
カナダはモントリオール出身のインディーロックバンド、Arcade Fireの『The Suberbs』というアルバムの魅力をお伝えしていきたいと思います。
このアルバムの魅力を一言で言うなら郊外への郷愁です。
都市から少し離れた場所、場所を構成する要素が主に家庭であるその場所で色々なことを体験した子供時代から青年時代への感慨。
ただ、そこは日本ではなく、アメリカとかイギリスとかのバスケットゴールと芝生とガレージがあるような家が立ち並ぶ場所。
全く体験したことの無い、ほとんど行ったことのない場所に感慨をもたせるようなそんな素敵なアルバムです。
音調はフォークやカントリーに近いですが、色々な要素が混じりあってオルタナティブとも形容することができます。
ただ、刺激が強いアルバムでは無いので染み込むまでは掴みづらいかもしれませんが。聞いていくと少しずつ情景や音像が浮かぶようになります。その体験はとても美しく、離れ難いものになります。
海外のインディーロックが好きな方には是非オススメしたい。また、少し物悲しい気分な方もどうぞ。あくまで現実的な異世界に没入することができます。